2010年6月8日火曜日

マイスタージンガー?

タイトルに疑問形が増えている気がしますが気にしない方向で。
筆者は歌よりも曲の方が好きで、オーケストラによる演奏・ピアノ独奏などを聴く傾向にあります。
ゲーム好きなのでゲーム音楽も良く聴くのですが… 今回のタイトルは当然ながらワーグナー(ニュルンベルクのマイスタージンガー)からです。
ちなみに、マイスタージンガーって何? と思って調べたら "Meistersinger"というスペルでした。
後は簡単。 "Meister"な"singer" の意味ですので、直訳だと「職人の親方な歌手」という程度の意味ですね。
何故親方歌手なのかについては歌劇の内容やニュルンベルクの歴史に踏み込むので省略。
詳しく知りたい方はwikiなりなんなりで調べてみてください。

 今回の本題は「マイスター」です。
「職人の親方」とか「匠」とか翻訳できますが、その意味通りのエキスパートのことを指します。
現在でも、ドイツでは大学に行く進路と職人としての進路が等価なものとして存在するとのこと。
昔から職人の地位が高かった様子ですが、マイスターの社会的地位があるからかな? と想像しています。

システム業界において、いろいろな歪みが存在するのはご存知かと思いますが、その最たるものが人材に対する考え方と言えます。
35歳定年説、なんて有名過ぎる言葉です。
これは35歳くらいになると単純作業をさせるには賃金が高い。しかし、他の作業が出来るわけでもない(そのように育成したり、自己研鑚を仕向けていない為)ことから使えない人材となってしまう。
この流れを指すわけですが、何故単純作業以外に進めない人が多発するのか? ここがシステム業界の歪みの一つです。
これを考える場合、「単純作業の次って何?」ということを考える必要があります。
誤解と偏見がありますが、政治家で言えば「秘書」⇒「地方議会の議員」⇒(地方の首長)⇒「国会議員」という「レール」が存在します。
大企業で言えば、出世=仕事のレールと言えるでしょう。
システム業界にも一応それがあります。
「コーダ(プログラマ)」⇒「SE(設計・製造・試験担当)」⇒「プロジェクトリーダー(マネージャー)」
というのが大まかな「レール」です。
この「レール」に乗れるのは、実はごく一部の人だけになります。
ちょっと考えればわかりますが、プロジェクトリーダーの配下には複数名のSEやコーダが付きます。今、SEをやっている人たちがそのまま5年後にプロジェクトリーダーになったら… ネズミ算式に配下が必要になりますね。
それ以前にそれだけの仕事を確保できるのか? という話もありますが…

一方で、技術力の向上とか品質の向上という課題に対しては現場のSEなどの自助努力に依るところが大きいです。
結果、何でもできる人だけが上に行き、何でもできる為に忙しい思いをし、最悪の場合出来る人から潰れていくなんてことになります。
しかし、一芸に秀でた人がそれをサポートするとどうなるか?
この考えが「マイスター制度」の基本です。

新たなプログラミングのできる(言語を使いこなしている)人
ハードウェア構築に秀でた人
ネットワーク構成に詳しい人
DB全般のエキスパート
……
こういう人たちをプロジェクトリーダーと等価と見なす制度が業界の歪みの解消とデスマーチの緩和に役に立つのではないかな? と考えています。

微妙なたとえですが、シミュレーションゲームでは万能キャラがもてはやされますが、それ以上に特化キャラを使いこなすことが勝利のカギだったりします。
一芸に特化した匠を重用する姿勢を企業側が見せた時、どのように業界が変わるのか興味があります。




尚、ワーグナーの曲ってファンタジーを中心によくつかわれる単語が多かったりします。
  リエンツィ
  さまよえるオランダ人
  タンホイザー
  ローエングリン
  ニーベルングの指環(序夜): 「ラインの黄金」
  ニーベルングの指環(第1日): 「ワルキューレ」
  トリスタンとイゾルデ
  ニュルンベルクのマイスタージンガー
  ニーベルングの指環(第2日):「ジークフリート」
  ニーベルングの指環(第3日):「神々の黄昏」
  パルジファル
軽くwikiからコピペしてみましたが、ゲルマン系神話が元ネタっぽいものが多い為か、それらしい単語が多いですね。

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システム開発はチーム戦なので、マイスターを生かすにはコンダクターが重要です。
今、プロジェクトマネジメントをしている人々が特化型人材を受け入れられるかどうかも問題ですね。

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