2010年4月15日木曜日

知りて言わざるは…

プレジデントのある記事を読んでいて出てきた言葉。
 不知而言不智 知而不言不忠
 (知らずして言うは不知 知りて言わざるは不忠)
韓非子の言葉で、言うまでもない内容なのですがせっかく目にしたのでネタにしてみます。

 「知らずして…」は『知ったかぶり、カコワルイ』と言っているだけなのでパス。
「知りて言わざるは不忠」こちらがエンジニア的に難しいところです。
直接の意味は『知ってるのに(上司・目上に)言わないのは不忠である』という程度になります。
それだけなら大したことではないのですが… 諫言する/しない に繋がっていくのではないかな? と思うのです。
韓非子は組織のなんたるかを考えた思想家なので、「知っているのに情報共有しないのは良くない」と言っているわけではありません。
組織の上位になればなるほど、組織内から上がる情報は濾過されたきれいなものになりがちと言います。
また、下位の者は「自分にしかできないこと/自分しか知らないこと」を持つことで相対的な優位を確保しようとする場合があります。
いずれにしても組織のTopには不都合な話です。
このように考えると、『自分や組織に不都合な情報こそ、上役に言うべきである。それをしないのは不忠である』という程度の意味になります。
ここまでは普通の組織に属する人に共通の内容です。
エンジニア的に難しい理由が、お客様(発注者/利用者)に対して『不忠』にならないようにしなくてはならないこと。(『不忠』を『不実』と言い換えるべきかもしれませんが、韓非子準拠ということでご了承ください)
システムを業務に完全に合わせるとさまざまな不都合が出ますし、業務自体が非効率というのも見えてくるかもしれません。
『不忠』にならないためにはそれらを言うべきなのでしょうが… なかなか言えるものではありません。
さて、どうするべきか。最終的にはその場その場で考えて判断するしかないかもしれません。

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