全文引用してみますと・・・
「脱談合」を掲げる岐阜市の建設会社「希望社」の桑原耕司会長は23日、岐阜県庁を訪れ、県から受注した工事で「過剰な利益」が出たとして約880万円の返還を申し入れた。県側は「ありえない話」と返還を拒んだため、代わりに同額を寄付する考えを伝えた。
同社が受注したのは県立衛生専門学校の耐震工事。最低制限価格を少し上回る約5100万円で落札した。同社によると、工事が完了して精算したところ、同社が「適正な利益」と考える約360万円を含めても、費用は最終的に約3580万円で済んだ。
このため、落札額との差額1520万円のうちの880万円の返還を申し入れた。残る640万円は、工費の圧縮に協力してくれた下請け業者らを招いた感謝の集いや今後の入札改革の活動原資に充てる方針だという。
桑原会長は「最低制限価格の設定など、役所主導の仕組みがコスト削減努力や競争原理を阻んでいる。公共工事の発注の現状を県民に知ってほしい」と話している。
一方、県側は同社に「入札の支払いの精算は終わっており、返還はあり得ない話」(公共建築住宅課)と説明した。寄付の申し出については「内部で検討したい」と答えたという。
希望社は大手ゼネコンに勤務していた桑原会長が1988年に創業。当初は民間工事が主体で、2003年度から公共工事に参画し始めた。競争原理で工事会社を選ぶ建設マネジメント(CM)方式のコンサルタント業務を中心に、全国で受注し、09年3月期の売上高は30億円。従業員数は103人。社屋には「談合しない」と書かれた垂れ幕を掲げている。(前田基行)
この話、単に読み流すと
「いいことする業者もあるものだなぁ」
と思えるでしょう。
しかし、筆者はやたらと気になって仕方ありません。
費用の内訳を整理してみますと
- 受注額:5100万 (100%)
- かかった費用:3220万 (63.2%)
- 「適正な利益」:360万 (7.1%)
- 感謝の集い・入札改革原資:640万 (12.5%)
- 返還分:880万 (17.3%)
(()内は比率。2~5の比率の和が100を超えているのは、小数第2位で四捨五入した為)
となります。
筆者は建築業界に詳しいわけではありませんが、費用の内訳のうち大幅な変動がない(業者の差がつきにくい)ものとして材料費が挙げられます。
(かるく検索してみると、木造建築向けの見積サイトは実に多いですね。今回の例には当てはまらないので実際の数字は載せませんが)
材料費が各社ともほぼ同じと見なすと、あとは人件費や外注費の差となるわけです。
最低制限価格が「材料費+人件費+適正利益」で構成されていると仮定し、「適正利益」=10%と仮に設定します。(希望社の「適正な利益」は 360万/3220万=11.2%なのであまり乖離していないはずです)
すると、5100万の10%なので、実際にかけられる費用は 5100万-510万=4590万。
これと、希望社がかけた費用3220万の差額は 4590万-3220万=1370万。
これは受注額の26.9%にあたります。約4分の1ですね。
ここで「材料費」を仮定したいのですが、このサイトを参考に30%と見なし、 5100万×30%=1530万。(参考元が木造住宅を対象としているのであまり正確ではないかもしれません。が、適当に設定するよりマシということでご了承ください)
つまり、実際にかける費用から1530万を引くと、「人件費」が出てきます。
最低制限価格の場合の「人件費」は 4590万-1530万=3060万。
希望社の場合の「人件費」は 3220万-1530万=1690万。
ちょっと情報が古いのですが、平成16年屋外労働者職種別賃金調査(建設業技能職種)より技能職(東海地方)の1日平均の賃金(所得税・社会保険料など控除前)は15310円。
1カ月当たりの実労働日は21.8日なので、 21.8(日)×15310(円/日)=333758(円)。
仮に、あくまで仮にですが、この平均賃金(いわゆる相場・世間並の賃金)でどの会社も仕事をしていると仮定すると、(これ以上に企業は支払うものがあるわけですが、比較結果に与える影響は少ないので放置)
最低制限価格の場合:91.7人月
希望社の場合:50.6人月
で、それぞれ同じ仕事を行う計算になります。
希望社は他社の55.2%(50.6/91.7=0.5517)の時間と人手で仕事を完遂できる手法を確立していることになります
なります・・・ が、普通に考えるとよほど建築業界が怠け者ぞろいだったり無駄な事ばかりしていない限り2倍弱の効率化は無理があります。
逆に、他社と同じ工数(ここでは91.7人月)がかかっている場合、1人月の単価がどうなるかというと…
333758(円)×0.552=184234(円)
18万5千円ならば、新卒並みの給与とすれば疑問はないでしょう。(ちょっと安い気がしますがw)
仮説として、技能も何もない社員を投入して外注で実業務を回す、というのを考えると外注費の圧縮&自社社員の給与圧縮でこの低価格は可能と言えます。
少なくとも、あからさまに法律に触れるレベルではないわけです(個別にみた場合、労働基準法などに抵触する可能性は高いと思いますが…)
ちなみに、ネットで軽く検索すると希望社がブラックであるという書き込みがちらほら見受けられるのですが… もしかしたらもしかするかもしれませんね。
最低制限価格が高止まりしているのか、希望社が弱者(社員&外注)叩きでダンピングを行っているのかはこれだけの情報で判断できません。
しかし、単純に「いい話」で済ませられない記事だと思います。
脱談合を会社の宣伝として使っているというイメージです。
返信削除民間等の他工事で利益を上げ、赤字覚悟で公共工事を1本やるなら出来るのではないでしょうか?(息のかかっている下請けと組めば余裕でしょう。)
求人案内の新入社員のコメントをみると若い社員が多く、給料も安い様なので、人件費も抑えられているのではないかと思う。
どこかブラック企業的な感じがするのは気のせい?
気のせいじゃなさそう。新卒は給与12~13万らしい。
削除賞与も無いしバイトより低いね。
同感ですね。民間建築をメインでやっている会社は、補助金絡みの工事(特老建設等)で経営審査や入札参加資格の点数を求められる事もあり、点数アップの為に公共事業をやりたがる。今の入札制度では、利益を無視すれば、防災協定を締結したりしないでも、楽に落札出来るでしょう。建築の場合、土木のように積算基準がしっかりしていませんが、役所は設計事務所と共にそれなりに積算をしています。もちろん、中には設計価格が高い・安いはあると思いますが、それなりの値段ではじいていると思います。
削除安かろう悪かろうを具現化する典型的な会社です。
返信削除現場を指揮する社員は捨て駒ですので若い社員しかいないのでしょう。
とある物件では発注者からの是正事項が100を超え、完成後にはウッドデッキがくさり
バリアフリーモドキのサッシは雨が降れば浸水。
これが安くできる実態です。
張り切って建設した宿泊施設は大雨で簡単に浸水したらしいですよw
削除どうでもいいけど
返信削除現場にトイレくらい設置しようよ
いくらローコストが売りだからって
公園のトイレやコンビニのトイレを職人に
使わせるなんて・・・ ケチくさいもいいところだね。
今時どんな小さい建築現場でもトイレは真っ先に付けますよ。
場所がないなんて理由になりませんから。
人間の生理現象なんですからいつ何時お腹の調子が悪くなるかもですからね
それにトイレのある場所まで行くのは時間の無駄ですよ。
ローコストなんて呆れてしまいますね。
人間を馬鹿にしてますね。家畜同然の扱いとか。
削除全国トップレベルの糞企業ですよココ。
返信削除まず建築物が違法建築です。
最近建築の方で糞加減が明るみに出て利益が出せなくなってきたので
宿泊業に力を入れていますが、そこが大問題。
宿泊施設は違法だらけ、旅館業法なんて知らないから。
許可証もらうときだけ隠蔽工作して、万が一指摘されると逆ギレ。
消火器1つも買わないケチスタイルは驚愕もんです。
→ここの宿(築年数が古いリースタイプ)を使う人はチェックしてみて
使用期限が削り取られてる(笑)ものや10年以上期限が切れているものが置かれてる。
安さをアピールする為には人の命何それな企業。
削除の癖に原発は危ないからやめろー!ってデモやってる
新入社員は問答無用でホテル業務に従事させ、劣悪な環境で研修という名のバイトでもできるルーチンワークを命じられる。
返信削除この企業の宿泊施設は(設備が劣悪であり安すぎるから)カネのない外国人が多く利用する。必然的に問題が起こりやすくなるが、問題を起こす外国人に全く注意を行わず、利用者や住民から苦情が出ても一切対応しない。(同業他社と比べ)極めて劣等な社員だらけである。社長の底が知れる。
返信削除日照権の侵害、騒音、異臭、絶えないトラブル・・・即刻潰れるべき極悪企業