2010年8月18日水曜日

「三方よし」とIT業界

暑いですねぇ
思わず脳みそが沸騰しそうですが、なんとか秋まで頑張りましょう

暑いせいか、タイトルがまともです。
これも酷暑のせいと思ってください。


さて、IT業界は良いとして、「三方よし」とはなんでしょうか?
知っている方が多いならそれに越したことはありませんが、一応説明を入れておきます。
 取引においては、当事者の売り手と買い手だけでなく、その取引が社会全体の幸福につながるものでなければならないとう意味での、売り手よし、買い手よし、世間よしという「三方よし」の理念は、近江商人の経営理念に由来する。(中略) 

 境を行商してまわり、異国に開いた出店を発展させようとする近江商人にとっては、もともと何のゆかりもなかった人々から信頼を得ることが肝心であった。その他国商いのための心構えを説いた近江商人の教えが、現代では「三方よし」という言葉に集約して表現されるようになったのである。 「三方よし」の直接の原典となったのは、宝暦4(1754)年に70歳となった麻布商の中村治兵衛宗岸(そうがん)が15歳の養嗣子に認めた書置(かきおき)のなかの次の一節である。
 たとへ他国へ商内に参り候ても、この商内物、この国の人一切の人々、心よく着申され候ようにと、自分の事に思わず、皆人よき様にと思い、高利望み申さずとかく天道のめぐみ次第と、ただその行く先の人を大切におもふべく候、それにては心安堵にて、身も息災、仏神の事、常々信心に致され候て、その国々へ入る時に、右の通りに心ざしをおこし申さるべく候事、第一に候
 の条文は以下のように読み解くことができる。
他国へ持下り商いに出かけた場合は、持参した商品に自信をもって、その国のすべての人々に気持よく使ってもらうようにと心がけ、その取引が人々の役に立つことをひたすら願い、損得はその結果次第であると思い定めて、自分の利益だけを考えて一挙に高利を望むようなことをせず、なによりも行商先の人々の立場を尊重することを第一に心がけるべき である。欲心を抑え、心身ともに健康に恵まれるためには、日頃から神仏への信心を厚くしておくことが大切である。


上記は滋賀県産業支援プラザよりの引用です。
商売=非生産的、という中世の考え方が根底にあると思いますが(士農工商というように、支配階級、生産階級、流通の順で偉いのが江戸時代。農業が上なのは「米は国家なり」だからです。民を飢えさせる支配者は支配者失格)、仕入れ元・卸し先・世間の3者の間で商人が活動していたということを端的に表していると思います。

IT業界で言うとどうなるのでしょうか?
「世間」は今も昔も変わらないので同じ考えで。
「買い手(卸し先)」はエンドユーザーになります。社内用システムの場合そこの社員及び関係者、携帯なりパッケージなりのソフトなら一般の人々がこれにあたります。

「売り手(仕入れ元)」がぱっと出てこないのですが… これって実はIT技術者だったりします。
というのも、IT業界の企業の社員≠開発担当のIT技術者 という現状があるわけです。
自社の人間だから、他社の人だから。という区別が常なので、必要な技術を持つ技術者を「出入り業者」と見なす企業もあれば、作るものを作ってしまえばあとは関係なくなる、と考える派遣技術者もいます。
これは悪い見方を並べたのですが、実際に自社だ他社だといちいち区別する現場では連帯感も責任感も生まれづらいので(下手をすると、だらだら残っている方が技術者側の利益になる。作業効率が悪い方が評価されるという謎な現象が普通に存在している)このくらいのことは書いても問題ないでしょう。
え? 問題ある例があるのか?
ありますよw 書けませんが。

さて、三方よしにする為にどうすればいいのか?
まず、世間よしは世間の役に立つシステムを世に送り出す、とか、社会貢献をするという道が基本です。これは業界問わずだいたい同じですので省略。

買い手よしは、役に立つシステムを適正価格で提供し続ける事が一番になります。
ここで、IT業界側が適正価格で提供し続ける意思があっても買い手が目先の損得でころころ取引相手を変えると、その分のリスクを価格に上乗せせざるを得なくなり(若しくは見えないところのサービスを落とすなどのコストカットをし)ますので、納得した企業との取引を継続する買い手というのが増えるとトータルでのIT投資が抑制出来たりします。

売り手よしが一番困難です。
IT技術者は企業に対して弱い立場に居ます。
ましてや発注元企業に対して何か言えるかというと極めて困難です。
それをいいことに経営体質強化などの美名のもと、買い叩きが横行していますがこれでは売り手になりたがる人材は減っていくのではないかと心配です。
使うべきところに金を使うというのも広義の社会貢献(消費の刺激になる)なので、売り手に対する買い叩きを控えるのがまず必要です。
無論、売り手側が技術力向上に努め続けるのも必要になりますが、努力しても正社員以外は手取りが増えないのは明らかに「売り手よし」ではないですね。
尚、買い手側の買い叩きがあるとやはりよろしくないです。


結局のところ、デフレの名のもとに進行する縮小均衡(給与減少⇒消費抑制⇒売上減少⇒給与減少⇒・・・)が根源になるわけです。
かつての自民党は公共事業で建築業界及び周辺業界の「売上減少」を解消し、広く「消費抑制」の部分を解消することで景気浮揚を行いましたが・・・
IT業界から動くとすれば、正社員以外にも昇給を行うことで消費を刺激する方策を立てることでしょうか。
その第一歩として、官公庁のIT投資のほとんどを地元中小企業と直接取引で行うのが良いのではないかな? と思います。
大手が入ると中抜きが酷いケースが多いですし、中小企業の場合、自社の規模で間に合わない部分を新規雇用なり派遣で埋めるなりという雇用創出が期待できます。(派遣で、というのはそこまで効果がないですが、やらないよりまし)
一部でこのような動きがありますが、多くの業界に対して官公庁がこの動きをすれば大手は減益になるでしょうが地域は少し活性化すると筆者は考えます。
そして、大手の社員の買い物が減る分は中小企業の社員の買い物で補って余りあるでしょう。
なにせ、大手になればなるほど余計なコスト(借入金利子・ビルなどの不動産の経費・株式の配当など)が大きく、これらコストの行く先は金に困っていない人々が大多数の為消費拡大には寄与しづらいのです。

なにやら変な方向に話が進み始めましたが、フェアトレードが景気回復の為に重要と言うことで^^

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