2010年8月23日月曜日

岡崎図書館事件に思うデジタルデバイド

暑さゆえか、寝ても寝た気がしない筆者です。
週末はドタバタしたというのもありますが、これは止めの一撃だったかなぁ。
少しゆっくりしようかと。

さて、タイトルの一つ『デジタルデバイド』について。

日本においては、1990年代以降、インターネットなどのコンピュータネットワーク情報技術)が普及するにつれて、パソコンなどの情報機器の操作に習熟していないことや、情報機器そのものを持っていないことは、社会的に大きな不利として働くようになった。
情報格差で下位に位置づけられる対象としては
  • 情報機器の購入・維持や教育を受けるための費用が出せない者
  • 中高年など、長い間情報機器がない環境で過ごしてきたため、情報機器に対する拒絶反応(コンピュータアレルギー)により情報機器を利用しない(利用法のわからない)者
  • 放送(地上波地上デジタル)・通信(ブロードバンド)の採算性が人口等の条件により悪く、サービスが提供されていない地域の在住者
などが挙げられる。 21世紀に入り、東京などの都市部では中高年者もほとんどがパソコンやインターネットを使いこなせるようになった一方、地方では依然として若年層も含めパソコンやインターネットの操作に習熟していない者が多い。そのため、近年では、年齢による格差よりも地域による情報格差が問題となっている。
政府の対応としては、e-Japan計画が策定され、以下の項目等について述べている。
  • 学校関係
    • 学校教育における情報教育カリキュラムの充実
    • 学校への情報機器の整備
    • 講習会の受講料金の補助
  • インフラ整備について
  • 自治体と共同で全県的なブロードバンド通信基盤の整備
  • 通信事業者への補助
全国的にブロードバンドと地上デジタルテレビ放送(地デジ)が普及するにつれ、ブロードバンド・地デジを利用できる地区・利用できない地区(特に離島)間で情報アクセスへの格差が生じている。

毎度のwikipedia先生から持ってきました。
簡単に言うと、パソコン使える人と使えない人で社会生活の利便性に大幅な差がでることです。
通信量の格差(光回線が通っている地域>>ADSLしか使えない地域)を指すこともありますが、ここでは情報技術に対する知識/経験の格差とします。

何が問題かと言いますと、岡崎図書館事件の報道抜粋を読んだ時の印象の問題です。
県警生活経済課と岡崎署によると、容疑者は、4月2日から15日にかけて、岡崎市中央図書館のホームページに、計約33,000回のアクセスを繰り返し、ホームページを閲覧しにくい状態にしたという疑いがある。(朝日新聞)
県警は25日、インターネット関連会社社長を偽計業務妨害容疑で逮捕した。発表によると、容疑者は4月2~15日、岡崎市立図書館のホームページに、自宅パソコンなどから33,465回にわたり、集中的にアクセスして閲覧しにくい状態にさせ、業務を妨害した疑い。(読売新聞)
同課によると容疑者は3月14日から約1ヶ月間、自宅などのパソコンから同図書館のHPに64,008回接続し、21回にわたりHP閲覧をできないようにした。(日本経済新聞)
軽く持ってきましたが、これを見て素直に納得できる人と疑問を持つ人にわかれるはずです。
というのも、日常生活における3万回や6万回という数字は「異常」な数字です。
よって、悪意で故意にホームページに攻撃を行ったと、読み手は思ってしまうでしょう。
しかし、パソコンをある程度知っていれば、2週間(新聞によっては1ヶ月)に3万回とか6万回はたかが知れている「普通」の数字なのです。

一般市民は別に問題ではないのですが、新聞社(それも揃いも揃って日本を代表する大新聞社)がこのレベルというのが問題。
ちゃんと確認しないで発表をそのまま記事として垂れ流したのです。
少し裏を取れば犯罪性がないくらいは見えてくるものですが…

尚、図書館側も問題で、相談相手がいないからと言って警察に話を持って行ったが為に逮捕に至ったそうです。
逮捕されたのが独立して仕事をしている人だったからこそ被害が少ない(ちゃんと報道が訂正と名誉回復を行えば、ですが)のですが、普通の正社員だったらクビになっているかもしれないわけです。
結論として、見事に冤罪だったわけですからちゃんと謝罪したのか気になりますね。


マスコミと官公庁のデジタル音痴がコトを大きくしてしまった感のあるこの事件。
萎縮してマッシュアップから離れる・・・ ことはないだろうけどちょっと嫌ですね。

参考までに、逮捕された人が経緯などを書いたブログにリンク張っておきます。

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