2010年5月7日金曜日

「全体」と「個別」の境目

タイトルを書いてから、なんて抽象的なんだろうと思ったのですが後悔も反省もせずに進めます。

私はSEなわけで、仕事と言えばシステム開発なり保守なりその他システム関連のよしなしごとをそこはかとなくやるわけで。
現在担当しているプロジェクトがASPであることからこんなタイトルが浮かんだわけです。

ASPはその性質上、1つのアプリケーションを複数名(複数企業)でそれぞれ利用します。
わかりやすい例としてはフリーメールがあげられます。
(Webサービスと混同している? SaaSはどうした?? まぁ、そこらへんは置いておいて^^;)
フリーメールにログインすると自分のメールボックスを利用できるのですが、そのメールボックスは自分のためだけに「個別」に作られたのではなく、アカウントさえ作れば誰でも使える代物です。
しかし、他の人のメールボックスを見ることはできないし、自分のメールボックスが見られることも(恐らく)ありません。

使う側としては便利なのですが… 作る側としてはなかなかに大変でもあります。
 「全体」 即ちそのアプリケーションの利用者のほとんどが使うであろう部分と、
 「個別」 即ち利用者によって 使う/使わない が割れる部分の切り分けが必要です。
個人ユーザ向けならば「個別」部分はオプションで選択可能(ブログのレイアウトなどがいい例です)にしておけば問題ありませんが、企業ユーザ向けだとそうもいかないことがあります。
個人だとシステムに合わせられるのに、集団(企業)だと合わせられない傾向にあるようで… システムを集団(企業)に合わせてほしいとなることが多いのです。
この要望に沿ってシステムを合わせて大変なことになったのが独SAPです。詳細は雑誌の記事(googleで「SAP アドオン バージョンアップ サポート」で検索するといくつか出てきます)を見てみてください。業界誌(?)では有名なので。

酷過ぎて例にもならないのですが、タイムリーな話題ですので取り上げると、goo mail なんかは「個別」にすべき仕様を「全体」に適用して大失敗をしつつある状況ですね。
3行でまとめると
  リッチ過ぎる画面にリニューアルし
  操作性やレスポンス・通信負荷を最悪に
  「全体」で喜ばれた機能は消え去った
ですね。
wikiまで作られている(新gooメール不具合まとめwiki)のですが、そこを見てみると、不具合以前にログインできない/画面が表示されない という素敵な状況です。
リッチ過ぎる画面は「個別」で欲しがる人がいる程度の代物で、「全体」に組み込むべきではなかったのかなぁ、と。
え? これの何処が『システムを集団(企業)に合わせてほしい』と繋がるのか?
実はgoo mailのリニューアルはNTTdocomoの携帯メールとの連携が大きな目的の一つだとか…
gooの運営はNTTレゾナントなので…
ちなみに、このgoo mail(リニューアル後)、リッチな画面はAjaxで実現しているとか…
Ajax=非同期通信JavaScript です。盛りだくさんで使うとこんなに酷くなるのか、と反面教師にしております。
Googleも盛りだくさんで使っている? いえいえ、通信が発生する頻度が全く違う様子です。
と、脱線が激しくなってきたのでここらで打ちきりです^^;

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