2010年5月8日土曜日

情報は儚きソフトウェアの為に

タイトルにネタを盛り込みたい今日この頃。
元ネタがわかった方はお伝えください。口頭で一発で正解された方(先着一名)には銘茶一煎分を進呈します。

一昨日・昨日と将棋の名人戦第三局が行われていました。
棋界の第一人者:羽生名人に、あまり目立たないA級の常連:三浦8段が挑戦しているのですが…
羽生3:三浦0 という一方的な展開となりました。
尚、名人戦は7番勝負なので先に4勝したほうが勝ち。つまり、羽生名人の防衛にリーチですね。
2ちゃんねるで戦況の書き込みがリアルタイムで行われるのですが、その中に将棋ソフトでの解析結果を載せる人々が居ます。
チェスだと人間以上と評される「ディープ・ブルー (Deep Blue) 」が存在しました(現在は解体されています)が、トッププロに勝てる将棋ソフトは今のところないとされています。
解析結果を流し読みしてみたのですが… ソフトがトッププロに及ばないせいか、または対局者が悪手・凡手を指しているからか、ソフトの解析結果と実際の棋譜は随分異なっていました。

ソフトは過去の戦例(棋譜)を元に先を読むものが多いようですが、今回の棋譜を並べてみると一般に重要視されているものとは異なる要素で勝敗が決したように感じます。
異なる要素、とは 「玉の広さ」とでも言うものです。
私自身専門家でもなければライトな愛好家レベルなので用語が異なっているかもしれませんが、平たく言うと、『王将が安全に動ける範囲の大きさ』のことです。
相手の駒はもちろん、自分の駒も王将の逃げ道を塞ぐことがあります。実際に私自身、王将の左側に矢倉の組みかけの銀・金が居て右から相手の飛車が… 即詰み なんてこともありました。
この「玉の広さ」というのは、実はコンピューターで評価するのが難しい情報になります。
人間だと、視覚情報としてどこまで安全かが(ルールを知っている人なら)わかります。
しかし、コンピューターだとその判断には何手分かの読みが必要になります。
(実際には人間も読んでいるんですけどね^^; 大した読みではないことが多いので視覚情報のみで判断できることが多いです)

プロの対局は片方が詰まない形で、もう片方が詰む形になった時点で投了することが多いですが、詰む・詰まないを読みきるための情報をソフトに与えた時、コンピューターはトッププロと互角に戦えるのかな? と思います。




三浦弘行八段
 研究家として知られる棋士。
羽生の七冠独占を崩したことで時の人となるが、その翌年奪取した棋聖位をあっさり奪われる。
順位戦A級に昇級後、陥落したことがないのはすごいことだが、順位に助けられたと評される。(順位は前期の成績で決定するので実力のうちともいえる) 詳細はwiki参照。いや、ホントに笑い話になるくらい明暗の分かれるモノなので。

八段
 将棋の段位。
順位戦A級昇級が八段昇段の条件の一つなので、A級棋士で八段というのは普通。
名人1期、タイトル(何でも可)通算3期、竜王2期などが九段昇段の条件なので、A級八段はタイトルと縁が薄いとも言える。
尚、竜王2期で九段というのは読売新聞が竜王に箔を付けたいからではないかと思う。ある意味竜王ドリーム。

将棋ソフト
 一般には将棋のゲームソフトとして流通している。
人間の思考をソフトウェアで再現する研究の一つのアプローチになるので、真面目に研究している学者も居る。というか、筆者が在籍した大学の学科内にそういう研究室が存在した。研究室に入る為にはある程度将棋が指せないといけないという、当然といえば当然だが面白い条件がある。
 2010年4月に情報処理学会が将棋連盟に挑戦状を送りつけ、連盟も受けて立つという回答をしたが、対局結果が気になるところ。(http://www.shogi.or.jp/topics/2010/04/post-272.html
 対局相手が女流なのでトッププロではないですけどね。

女流棋士の実力
 今回、コンピューターと対局する清水女流は女流タイトルの独占(4冠)を達成したほどの人だが、タイトル戦の女流枠(こういう枠が実際に存在します)で予選に参加しても2~3勝できれば上出来というのが現状。
 尚、タイトル戦でも女流枠の最初の対局相手は4~5段(プロ棋士は4段から)なので実績のない若手が相手。
強豪は二次予選以降で登場するタイトル戦がほとんどなので、実力も推して知るべし。
 女性が普通のプロ棋士になれないかというと、制度上は何の障害もないが… 2段リーグ・3段リーグを突破する前に断念するケースしか存在しないのが現状。女性の奨励会会員(プロ予備軍)の絶対数が少ないので仕方のないところがあるのも事実。

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