2010年9月15日水曜日

貴方に積める善行は、母国語【日本語】を正しく使うことです

タイトルが元ネタありに戻った筆者です。
結構きついことを言うキャラのセリフから取ったので、かなりきついタイトルですね。
本文もタイトル並みにきついことを書くつもりですが^^;

ソースは雑誌なのですが、楽天が社内公用語を英語にする、という事をしているようです。
売上ベースで1%程度、海外は6カ国8拠点という海外進出度の現状(早い話が国内で仕事しているレベル)の楽天が、会議と名のつく場の全てで英語の使用を義務付けています。
参加者に必ず外国人がいるか? というと、日本人だけの会議でも英語使用。
社員食堂のメニューの写真が載っていましたが、こちらも全て英語表記(ちょっと気取った店が黒板にメニューなどを書いていますがあんな感じ。「Udon」とか「Tempura」とかあるのが萎えるw)とても見づらいものでした。
採用・昇格などでTOEICの点が必須要件になるなど・・・
現在役職に就いている人は、その役職で求められる英語力を2年以内に身につけることを要求されて、飲み会に行く代わりに英会話教室通いをしているとまで書いてありました。


社内公用語を英語にすることのメリットとはなんでしょうか?
楽天では、グローバルに事業を展開する為に、という事を掲げており、一つの例として「鹿児島の支店での成功事例をフランスの支店で使用する」際の言語障壁をなくすことが出来るというのがありました。
人材面では外国人の採用を積極的に行うことができるとも。

正直なところ、その程度なのですよね。
外国人採用はどうでもいいとして(日本人が外国人に優る/劣るという議論はナンセンス)
例えば、
「沖縄で成功した事例を他の都市で展開する」
なんて事をやって成功するか? というと可能性は低かったりします。
理由は様々ですが、その土地毎の特徴に合わせたカスタマイズが必要なのです。
ましてや国が違えば余計に大変なわけで。
日本人が、日本語で書かれた事例を見て、日本(の他の都市)で展開しても必ず成功するわけではないのに、何処の国の人かわからない人が、英語で書かれた事例を見て、どこかわからないところで展開することをメリットとしてとらえているあたりが楽天的すぎます。楽天だけに?w

文章だけで正しく情報を伝達することがいかに難しいか。
最低でも母国語で正しく情報を伝達できないと、外国語を使っての正しい情報伝達は難しいのではないかと思うのです。

本当の意味でグローバルに仕事を、というならば、母国語をしっかり押さえつつ、事業展開する先の国や地域の言語を習得するべきでしょう。
現地では仕事相手の母国語で話す。社内では基本的に日本語(話をする社員の母国語が日本語なら。異なる場合に初めて英語が選択肢に上る)で話す。
言語とは意思疎通の道具であると割り切るなら、このような方法をとるべきでしょう。
【グローバルな人材=英語で意思疎通できる人材】
なんて考えに縛られたTopに振り回される楽天社員。
こんなことに労力使っているのでは伸びる会社と思えないですね。





意思疎通の難しさの理由の一つが、言語の持つ裏の意味にあるとおもいます。
例えば、日本語で「運命」という言葉がありますが、英語に翻訳しようとすると

  1. Fate
  2. Destiny
  3. Fortune
という候補が出てきます(実際にはもう少しあります)
辞書を見てみると

fate は人間の力でいかんともしがたい不可避な運命で,通例不運な宿命; 
destiny は定められた避けられない運命で,偉大な結末を暗示する;

fortuneは第一義に「幸運」と出てきます。

上から
「不運」
「宿命」
「幸運」
とでもいったところでしょうか。

このような微妙な違いを理解して言葉を使えるようになるには相当な時間と勉強が必要なわけで。
日本語一つ使い切れていないのに「英語だ!」などと言っているのがばかばかしく思えて仕方のない筆者なのでした。

さらに言うと、日本語では「ひらがな」「カタカナ」「漢字」「(ローマ字)」の表記の違いがありますので、これも使い分けの難しいところ。
「平仮名」「かたかな」「KANJI」「(ろーまじ)」と書き変えただけで印象が全く変わっちゃいますね。
使い分けが面白いとも、難しいともいえるのです。

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